-オープン当時の光景は忘れられない

 そこからつけ麺を勉強し始め、機材はもともとのラーメン屋にあるモノを使ってほぼ独学で学んでいきました。朝5時に店に行って、スープを仕込んで夜に終わってという生活が続きました。でも、モノ作りはとても楽しかったのでしんどいという感覚はなかったです。もちろん全国のつけ麺巡りもして、京都でつけ麺をやるならどんな味がいいを徹底的に勉強しました。

 そして、店を探して出町柳に「つけ麺マン本店」を出したんです。オープンの日には20人、30人っていうお客様に並んでもらえて、本当に嬉しくて感動しました。あの光景は人生で忘れられないです。

-オープン当日にもう次の店舗展開を決めていた

 なにより「つけ麺マン」をやって近隣の大学生の方や、多くのお客様に喜んで頂いていることを肌で感じられたことが嬉しかったです。だから、1店舗目をオープンした日には、次の店舗を出そうと決めていたので、足早に店舗展開をして3年で4店舗まで拡大することができました。

 今でもお客様の来店数も徐々に増えていますし、「つけ麺マン」はリピーターさんも多いので、もっともっとつけ麺を進化させていきたいと思っています。そして、「麺匠たか松」はもっと有名店に育てて、多くのお客様に並んで頂けるような店にしていきたいです。

-飲食業界の魅力は楽しさにあり

 飲食業の魅力というのはやっぱり楽しさにあると思います。ただ食べるだけでなく、家族の団欒の場であったり、大学生の方が寄り添って来て、じゃれあって楽しそうにラーメンを食べる光景などが素晴らしいことだと思いますし、うちの会社はそういう空間を提供できるようにしていきたいと思っています。

 ラーメン屋は滞席時間が短い商売ですが、そこに店側が楽しさを提供しようと思えばいくらでも工夫はできると思います。例えば、うちの店だと卓上調味料に凝って、見たこともない調味料を置いたり、ちょっとした切り口を今もいろいろやっていますし、これからもやり続けたいと思ってます。

 コンビニで買って家で食べる弁当と外食は絶対に違うし、店員さんがイキイキ働いていて、周りにいるお客様も楽しそうに食べている姿や、スタッフの手際の良さとかいろんな光景が飲食店の良さであり、面白さだと思います。

 例えば、「つけ麺マン」では鬼盛りというメニューをオープン当時からずっとやっていますが、その鬼盛りというメニューは麺が5玉分あり重量が1kg超あります。それを15分以内で食べ切ったら無料なんですが、結構多くのお客様にチャレンジして頂いており、それに挑戦するお客様がいると場が和んで盛り上がるんです。それに挑戦してる人を見つめる女子大生とか、それを見てちょっと引き気味な家族連れとか、そこにロマンを感じるんです。