-17年の「一風堂」人生を捨てるきっかけはやっぱり親父の死だった

 そんなこんなで最初は「一風堂」では5年の修行予定だったのが合計17年在籍して、7年間取締役もさせてもらった。もちろん僕がそのままそこにいることも選択肢の中の大きな1つだったんですよ。収入も安定していましたし、たくさんの仲間が居た。

 けど、いよいよ僕の年齢が43歳、44歳ってなってきたときに、思い出したことが。僕の親父が55歳で亡くなってるということなんですよ。

-原点回帰で人生リセット!全て捨てる決意が固まった

親父がもし以前から55歳に死ぬってわかっていて45歳から生きてたかというと、違うと思うんですよ。“あと残り10年だ!”と思って生きていたかどうかというと“違うだろうな”って思った。

 それで、“自分があともし10年の人生だったらどうするか?”って考えちゃったときに、このままあと10年「一風堂」でやるか、もう一度リセットボタンをピンと押して、無職になってやってみるかを考えたんです。

 その結果、僕は十分すぎる収入も立場も放棄して、飛び出しちゃいました。笑 

 ここで守りの10年に入っちゃだめだって思ったんです。それでもう一度原点に戻って、残りの10年借金できたって、別に大丈夫だろうって思って、45歳までに「一風堂」を辞めようとその時に決めました。