台湾の日系ラーメン屋情報-台湾に進出したい飲食店必見-
①日本のラーメンブームはいつ頃から台湾に来ているの?
日本のラーメンブームは2011年くらいから台湾に来ている状況です。これまで出店してきた日本のラーメン店は台湾では非常に人気を博しており、ブームになっている程です。そして、今はつけ麺もブームになっています。2年前(2011年)頃には、つけ麺はまだ台湾にはなかったので、つけ麺が初めて来たことで人気が出てきています。
②なぜ、日本のラーメンは台湾で流行るの?
台湾人はもともと日本食に対してずっと前から好きであり、ラーメンは日本の国民食のようなもので、好きな台湾人が多いです。台湾でもラーメンに似た牛肉麺(にゅうろーめん)というものがありますが、それが苦手な台湾人にとっては日本のラーメンはもってこいの食事になっています。しかも、台湾人は麺類が好きなので、食べる機会は多いイメージがあります。特に、台湾人は豚を食べることが多いので、豚骨ラーメンは馴染みが強いです。
男女問わずラーメンは好きな人がとても多いです。ラーメン店は店によっては毎日、満員御礼の状況で多くのお客さんが列を成している状況です。
また、新規店は話題性もあるので、新規で台湾に出店してきた日本のラーメン店は、ほぼほぼ集客ができています。だから、1号店の日系ラーメン店が成功することは十分にあります。しかし、価格帯の決め方もとても重要となるので、誰をターゲットにしていくのかをしっかり考えていかなくてはなりません。
③他の飲食店と比べてラーメン店はどうなの?
様々な飲食店が台湾へ出店していますが、その中でもラーメン店の出展がダントツに多い状況です。年間、亜細亜不動産でお手伝いしている日本のラーメン店だけでも10店舗以上ある程です。しかも、亜細亜不動産の全体の依頼のうちラーメン店のシェアは50%以上となっている程です。
また、最近は少しずつ日本の「うどん屋さん」の出店も増えてきています。
まず、海外に出店する際にどこかを考えた場合、台湾はアジアの中では経済も伸びている状況だからです。
そして、台湾は日本の食文化が多く入って来ているので、ギャップも少なく日本食を好きな人が多くいるというのも大きな理由でしょう。
台湾でチャレンジをしたいという形で、台湾に来るラーメン店が多いです。
特に、日本でチェーン店を経営しているラーメン店さんからの依頼は多いです。
日本の有名なラーメン店も、九州、福岡、北海道、博多、関東、関西などどんどん入ってきており、もちろん自店の店舗もある上に、三越やそごうなどの百貨店、ローカルのデパートなどにテナントとして入っています。
●ポイント
今、台湾では日系ラーメン店はかなりの店舗数が存在します。そして、味に関してもいろいろなジャンルがあり、日本のいろいろなエリア(北海道、東京、関西、九州、三重など)のラーメン店が出店しています。
最近では、讃岐うどん店も出店してきています。しかし、日系企業の居酒屋はそれ程多くない状況です。
飲食店の中でも特にラーメン店の出店が多く、去年(2012年)においては1年間でラーメン店だけでも50社~60社以上のラーメン店から「台湾へ出店したい」という話が日星不動産にはあった程です。
台北の出店エリアとして人気があるのは、東区の方であり「そごう百貨店」の周りはにぎやかで人気のあるエリアとなっています。昔から、このエリアは高所得者や芸能人などが住んでいるエリアで、そこをメインに出店するラーメン店が多いです。
しかし、このエリア付近は家賃が高いので別のエリアを検討する店舗もあります。
メインアリアの場合は家賃が高いので、メインエリアとなる東区のような所を外して出店したり、中山区に出店します。中山区は日系企業もサラリーマンも観光客も多くいるので、集客的にも良い条件のエリアです。
家賃をある程度、抑えて出店したい方にはお勧めのエリアです。
メインの「そごう百貨店」付近の東区エリアであれば、坪単価1万5,000元~3万元くらいになっています。
中山区などメインのエリアを外した場合は、坪単価5,000元~8,000元くらいです。
家賃の高いメインの大通り沿いの店は宝石や洋服などのようなショップしかほぼ入っていない状況です。飲食関係の店舗になると大通りの裏の方に入ったところに出店するケースが多くなります。
メイン通りの裏側であれば、坪単価が5,000元~8,000元程度になるので、出店しやすくなります。家賃に関しては、ほとんど日本と変わらないと思っておく方が良いでしょう。だから、ラーメン店を出店する際には10万元を超えない物件を探して欲しいという要望が不動産会社に多く来るのです。
家賃が10万元を超えるとおそらくラーメン店であれば利益がなかなか出ないケースが多くなります。家賃、人件費、食材費などいろいろな諸経費を考えると、来客数は少なくとも130人は無いと厳しいでしょう。
●ポイント
しかし、台湾には多くの日本から出店されたラーメン店が、今では繁盛店として台湾の人々に支持されています。特に、新規の1号店の場合は、オープン時には行列ができる程であり、1日の来店数は200人を越えることも普通です。
オープンから数週間、数ヶ月経っても1日に150人近くの来店数があるラーメン店がほとんどです。また、台湾においても日本と同じで新聞や雑誌などにも取り上げられやすい業態がラーメンなのです。
台湾での人件費は月3万元~4万元くらいが正社員の月給であり、アルバイトであれば時給120元~130元くらいになります。
食材原価と人件費はそれなりに抑えられますが、ラーメン1杯あたりの単価設定は200元~250元くらいが平均なので、1杯あたりの単価が日本と比べたら安くなってしまいます。
また、物件の相場が日本と変わらないのに対して、台湾の一般の方の所得は日本より少ないので、1杯あたりの単価をどうしても下げる必要があるという点は押さえておかなければならないポイントです。
つまり、先ほども記載したように1日130人くらいの来客数がないと経営的には厳しくなってしまうのです。
台湾の飲食店で提供されるメニューは80元~100元程度であるのに対し、日本のラーメンは200元~300元程度であり、台湾の価格の3倍~4倍になります。
それにも関わらず流行るのは味が美味しいからです。
日本のラーメンは台湾のラーメンと比較すると美味しいという評価を受けています。だから、高いけれど食べに行こうとなるのです。日本のラーメンは台湾の価格の3倍~4倍になるにも関わらず流行るのは確実に日本のラーメンの味が美味しいからに他ならないからです。
出店する日系ラーメン企業は、自信を持って出店することをお勧めします。
また、単価が高いのに日本のラーメンがよく売れる理由としては、台湾人にとって日本のラーメンは「食べに行きたくなる」味だからなのです。具体的には、味が台湾のラーメンよりも濃くて、台湾のラーメンよりも食べ応えがあるのが理由だと考えられます。
店舗物件を紹介してくれる不動産会社が台湾にあることを知らない日本人の方はたくさんいます。だから、店舗物件を持っている日星不動産や亜細亜不動産に相談してくるお客様の流れとしては、銀行や会計士の方から紹介してもらって来られるケースが多いです。あるいは、内装業者や日本の友達の紹介や、日本人向けの雑誌広告を見られて来ることもあります。
店舗の物件情報を持っている不動産会社があまり無いので、あらかじめ自分の重要視する部分や希望を持っておかなくてはいけないという点が難しいポイントです。しかし、日星不動産や亜細亜不動産は、お客様の条件と希望をしっかりとヒアリングした上で、探すというプロセスがあるので安心です。
店舗の物件を持っている不動産会社は雑誌に広告も出したりしているので、それを見て問い合わせをする方もいます。日星不動産や亜細亜不動産は、物件を探している方の状況をしっかりと把握し、希望の場所を聞き「ここが良いよ」ということを勧めていますので、相談すると良いでしょう。
他の不動産会社に行かないように囲い込みをする不動産会社も存在するので気を付ける必要はあります。
具体的に言うと、他の所に行かないように、お金を先に払わせるというあまり良くない習慣もまだ見受けられます。一昔前の日本のようなものです。しかし、前金は払わなくてよいコトがほとんどです。
台湾の場合は、一般住宅をメインに仲介をしている不動産会社は多く存在しますが、店舗を扱っている不動産会社はなかなかありません。
その理由としては、もちろん会社のコストもありますし、事務所と物件が遠いとエリア的にもなかなか対応ができないケースがあるからです。
例えば、お客様が「今、○○の物件の前にいるんですけど・・・」と電話してきても、予め予約しないと内覧はできないのです。
日本の不動産会社の場合だと、物件の案内に関しては電話したらパッと来るということが当たり前の習慣ですが、台湾では少し離れた所から来てくれとお願いしてもほとんど来ないのです。
それに、借りる人が居ないとなると大家さんから不動産会社にクレームが入ることもあるので、積極的に店舗物件の情報を専門に扱う不動産会社はなかなか台湾には存在しないのです。
●ポイント
店舗物件を持っている会社はほんとうに少ないようで、実際に台湾に出店した日系ラーメン店のオーナーも「自分の足を使って、かなりの時間を要した」という話をされていました。
また、日系の不動産会社は事前金として高額な料金を請求しくるケースも多いようなので、情報を多く持っておく必要があります。だから、現地の店舗物件の情報を持っている不動産会社にはあらかじめいろいろな話を聞いておくのも物件選びを成功させるポイントと言えるでしょう。
日系企業と違って台湾の企業は良い物件があればすぐに契約に入ります。一方、日系企業の場合は1回物件を見て「一度検討します」というパターンが多いので、スグに空き物件が埋まってしまうということも往々にしてあるのが実情です。
逆に、台湾の企業の場合は、非常に物件を決めるのが早く業績が悪ければ2、3ヶ月であってもすぐに撤退するという部分は、日系企業と大きな違いです。
やはり、物件選びはタイミングが重要になる部分は大きいのでスピード感が非常に大切です。しかし、日系企業は意思決定が遅いという部分はありますが、ビジネスとしては台湾の企業よりもやりやすいです。
例えば、国民性として親切で約束を守るという点、また値切りも台湾の企業は多いですが、日本の企業は少ないのが現状です。また、新規出店してすぐに撤退するということもほとんどありません。
●ポイント
日本の昔ながらのパターンとして、「ここは直ぐに決まってしまう物件なんですよ」とお客様に言って他の不動産会社に流れないようにするという会社も存在しますが、台湾では実際に物件を直ぐに決めるという台湾人が多いという特徴をよく覚えておかなければなりません。
自分の気に入った物件をなかなか決められずに時間が経てば「すでに決まってしまった」とならないように、意思決定はスピーディーにすることが求められます。
毎年50社~60社の日系企業が台湾に進出を検討してやってくる中で、実際に出店するのは5~6社くらいです。
ここ2年間くらいは出店したいという日系ラーメン店は多く、特に3・11の地震以降は非常に多くなっています。これは、地震の関係や政治的な問題も考えられます。
また、中国との尖閣諸島の問題があり、中国への出店を辞めて、台湾に出店される企業も多くなっているのが現状です。
台湾に出店する飲食業の中でラーメン店が特に多い理由としては、出店費用が他の業態と比べても安く抑えられるからです。内装費用を除いて、設備は150万元程度であり、内装費用は200万元~300万元程度となります。初期費用はトータルで400万元~500万元程度になります。
ラーメン店は店舗のキャパシティーがそれ程大きくなくても経営が成り立ちますが、居酒屋の場合は大きなキャパシティーが必要となるからです。だから、出店費用もかさむため白木屋のような大手の居酒屋チェーンではなければ出店はなかなか厳しいです。
日本ではランチ営業をする居酒屋もありますが、台湾では居酒屋は夜だけしか営業していないので、営業時間の長さを考えても居酒屋よりもラーメン店の方が出店するメリットは多いのです。
●ポイント
実際に、日本でスケルトンからラーメン店をオープンする場合は1,000万円~1,500万円程度が必要となるので、台湾に出店すれば出店費用が日本と比べて安く済むということはほとんどありません。
しかし、日本ではランチタイムに居酒屋もランチメニューを提供するため、お客様の奪い合いとなり競合として捉えなければなりませんが、台湾ではまだ居酒屋がランチ営業をする習慣が無いので、ラーメンは集客のチャンスも多いと言えるでしょう。
台湾に出店する際に重要になるのは、まず、店舗の登記ができるかどうかです。住宅区か商業区かによって違うので区分には注意をしなければいけません。
また、厨房で料理をした際に出る煙などの排気やスープなど廃棄の問題はクリアしておかなければ、近隣や上の階に住んでいる住民に迷惑がかかってしまう恐れがありますので、そこも押さえておかなければなりません。
台湾には保健所は無いので、それは自分達でしっかりと事前に注意しておかなければならない部分です。
登記をどのようにするかは、住宅区の土地の使用目的などが法律で決まっています。建物が建つ時に必ず政府に、その土地の使用目的を報告する義務があり、それに基づいて区分されています。例えば、「商業用」や「住宅用」などのように区分されているのです。
土地や建物の謄本があり、その謄本に商業区や住宅区と記載されています。そして、台北市の建築法の中に、住宅の1や商業区の3などが記載されており、その物件で「何ができるか」が決められています。
例えば、面積によって50坪以下なら「ラーメン店が経営できる」や50坪以上になると「レストランが経営できる」などというように決まっているのです。
ラーメンは大体小さい店なので住宅の3で登記ができるというような感じです。事前にしっかり調べてリスク管理をしておきましょう。
●ポイント
台湾には、日本と違って保健所がないので自分でしっかりとリスク管理をしなくてはなりません。
また、謄本でチェックできるので後々トラブルを防ぐためにも、しっかりと事前に不動産会社にも相談した上で物件を決定しましょう。
物件選びで気をつけなければならない点は、排気の問題です。
だから、排気に関してはしっかりと内装業者と事前に相談して、近隣や二階の住民に迷惑がかからないかに注意して店舗設計をしていかなければなりません。もし、クレームが出た場合は、台北市の環境保護の職員が来てチェックされ、内装をやり直さなければならないこともあるので、そこは事前にしっかりと注意しておかなければなりません。
台湾の場合は、登記ができる物件であってもその近隣の住民から抗議があれば改善をしなければならいので、住民に迷惑になると致命的だと考えておいた方が良いでしょう。
しかし、ラーメンの場合はほとんど問題になったことはありません。しかし、焼肉屋の場合は結構問題になることが多いです。
煙や匂いやどんどん出るので、ダクトの設計をしっかりしなければならないですし、内装費用も結構かかるので出店も厳しいものがあります。
工事をする前にもし管理委員会があれば相談をしておくべきです。例えば、階層の低い建物であればあまり問題にならないこともありますが、階層の高い建物であればしっかりと相談しておかなければなりません。
また、天井の高さの制限もあり、一般的に2.5メートルくらいは必要になります。だから、あらかじめ天井の高さはしっかりと測っておく必要があるのです。
●ポイント
これまで、ラーメン店の出店において近隣からクレームが来るというようなことはほとんどありません。しかし、煙が多くでるようなメニューを扱っている店舗の場合は、排気に関わるダクトの設計や天井の高さなどに注意しておく必要があるでしょう。
現地の不動産会社は登記ができる物件であれば、その後のトラブルに関しては特に問題は無いということで紹介はしてくれます。
なぜなら、近隣の住民のクレームの履歴などの情報を不動産会社がお客様に伝えずに契約したとしても、法律的には何の問題も無いからです。だから、近隣の環境が悪くても教えてくれない場合もあります。
しかし、使用者はどのような業態を展開するかによっても、その物件の設計、工事、内装などによっても、後日トラブルが発生する場合があるので、物件の前の情報を把握しておく方が得策です。
また、不動産会社もわざわざ「過去にこの物件でこういうことがありましたよ」ということを伝えることもありません。なぜなら不動産会社は契約においてはノーリスクだからです。
だから、店舗作りの際に内装業者さんとしっかりと良く話し合いをすることが重要です。
業者探しはどの様にするのかというと、張さんか姜さんに依頼した方が早いでしょう。
なぜなら、ほとんどの業者を知っており紹介してくれるからです。店舗の営業ができるようになる前に必要となる業者さんのほとんどをこの2人は紹介することが可能です。
●ポイント
物件を契約する前に、「その物件で何かトラブルがあったか?」、「注意する点は無いか?」をしっかりと聞いておくことが大切です。また、食材卸業者や内装業者を探すのも手間がかかるので、不動産会社から紹介してもらうと良いでしょう。
日本から物件を見に来たお客様の感覚では、「この物件はいいな!」と思ったとしても、現地の人間からすると、この物件は人通りが少ないとか、家賃が高いとか、夜しか商売にならない、昼しか商売にならないというような立地だということがすぐにわかります。
しかし、台湾の街を知らない日本人にとっては、自分の感覚やセンスだけが頼りになってしまいます。立地選定が上手くできない場合は、どんな商売であっても成功する可能性は低くなってしまいますので気をつけなければなりません。
例えば、同じような路地(林森北路)であってもここの通りは商売に向いているが、ここの通りは商売に向いていないなどがあるので、注意しましょう。このような現地の人間ならではの視点をしっかりと把握して出店することが成功のポイントです。
成功の要因は日本でも一緒ですが、やはり家賃と立地条件が一番大事です。だから、きちんと人通りがあるのか、またきちんと収益化できる家賃を設定できるかどうかは非常に重要です。さらに、出店の際には
1度、昼間や夜に現場を見て、自分自身で人通りを確認することもしておくと良いでしょう。
日本から出店する場合、出店しようと考えているエリアを自分でぐるぐる回って、探すパターンがほとんどですが、現地の人間よりも把握することはなかなか困難です。しかし、自分で物件探しをしっかりとすることは成功の大きな要因になります。
もちろん不動産会社に相談すれば、ある程度、人の流れやエリア的特性は教えてもらえます。また、絶対にやめておいた方がよい場所の情報は業者共通で持っているので、それは事前に教えてもらいましょう。
●ポイント
やはり成功の一番の要因は立地条件と家賃です。これは万国共通だと言えるでしょう。
また、不動産会社の情報だけを頼りにするのでは無く、自分自身でその物件の立地的特性を把握しておくために交通量や人通りを事前にチェックすることも大切なポイントです。
過去の事例などで言うと、日本人の知人で「○○の通りの物件を1階~3階まで借りて海鮮料理屋を開業した」と言っていた方がいました。
確かに、そこは大通りで車の交通量も非常に多いのですが、車を止める人はほとんどいないエリアだったのです。それに、看板をつけても上をわざわざ見る人もほとんどいない立地でした。
結果、半年間営業してきましたが、ほとんど集客はできない状況となってしまったケースもあります。
他にもパーキングエリアがないとお客さんが来ないということなどもあります。
だから、自分自身で現地を歩き回って物件を探すのもいいですが、やはり現地の不動産会社に聞くことや台湾に詳しい方に聞くなどすることが成功の大きなポイントなのです。
自分達で物件を見て回る方も多いですが、不動産会社が仲介すればトラブルが無いように大家との契約書も進めていくこともできるし手間もかかりません。
●ポイント
交通量が多く、人通りも多い場所を見ると、「ここに出店すれば成功する可能性が高い!」と多くの人が思うことです。しかし、表面的な情報だけで出店するのは危険なのです。失敗事例からも、自分の感覚だけに頼らないこと意識しましょう。
また、不動産会社に依頼すると契約上のトラブルも無く円滑に出店を進めることができるので、スピーディーな展開をすることにつながります。
仲介手数料は決まっていません。大家さんと2人で相談して物件を契約します。
専任契約は現在ではほとんどなくなり、一般流通物件がほとんどです。物件情報の量に大きな違いはないので、どこの不動産会社でもそれほど大差はありません。しかし、小さい会社の方が物件のオーナーさんとの関係性は強いことが多いです。
大手不動産会社の場合は、大家に1ヶ月分を手付金としてお支払いします。そうすることで、実際に物件をキープすることができます。
本契約の場合は、3ヶ月のデポジット(保証金)が必要となります。だから、トータルで不動産会社に1ヶ月、大家に3ヶ月分の費用がかかります。
しかし、店舗を出るときには3ヶ月分の保証金はそのまま返金されます。これは、日本とほとんど変わりません。
ちなみに住宅における売買の場合、台湾では業者へ手数料が物件価格の買いが2%、売りが4%であり、買い手と売り手とで報酬が違います。(日本では、共に物件価格の3%+6万円)
つまり、この手数料の違いは市場の物件の量に大体左右されるので、台湾では若干物件過多とも言えるのではないでしょうか。
●ポイント
手付金は、その物件を押さえるために支払う料金なので、通常の日本と同じパターンです。
気をつけなければならないのは、事前金を支払わなければならない不動産会社があるという点です。これは特に必要の無い支払いなのですが、店舗物件を扱っている不動産会社を知らない日本からの出店者がそれを普通のことだと思って支払ってしまうケースもあるのです。
だから、店舗物件の情報を持っている不動産会社にしっかりと話を聞くことをお勧めします。
不動産会社といってもそこで働くいろいろなスタッフがいます。また、ビジネスなので成果を求めてしまうのというのは日本も同じです。もちろん、正直に誠実に対応する人もいますが、ある程度自分の利益を考えて不利になることは黙っていたりすることもあります。
だから、本当に自分自身が心から信頼できる不動産会社を探すことがお勧めです。
前頁でもお伝えしましたが、何かトラブルがあっても不動産会社は基本的にノータッチです。なぜなら、登記ができる物件を紹介していますから、その後トラブルがあってもそれは使用者の責任になってしまうのです。
契約したらそれで終わりということも往々にしてあるので、「トラブルが起きた時にサポートもしっかりしてくれるだろうか?」、「長くお付き合いできるだろうか?」など、そのような視点を持って契約する不動産会社を見極めることが重要です。
退去するまでのお付き合いをしっかりしていこうという姿勢がある不動産会社は絶対に安心ですし、次の店舗を出店する際にも手間や時間の節約につながります。
つまり、アフターフォローに関しても、しっかり対応していくという方針を出しているかどうかも把握することが重要です。契約した後は「じゃあさようなら」という流れが基本的には多いので、その場のテンションに惑わされないように予めこれらの情報は押さえておきましょう。
また、大手の不動産会社の場合は、社員の入れ替わりが非常に早いのが特徴です。逆に、中小の不動産会社の場合はオーナーが対応してくれるので、確実にプロフェッショナルですし、経験も社歴も長いというところが特徴です。
最後に、過去に日経企業と取引の実績がある不動産会社かどうかもチェックしておくべきポイントです。
出店の際は、自分自身で物件選びから業者選定までするのも良いですが、時間、コスト、手間の削減を考えた場合は、やはりプロの不動産会社に依頼することも選択肢として持っておいて損は無いと思います。