麺と人
初めてのラーメン作りは電ノコで肉の破片を浴びた!ラーメン大好き元建築出身店長の、どないや味噌ラーメン!
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僕は大阪の鶴見出身で、小さい頃からラーメンが大好きでした。手抜き料理のおふくろ麺からはじまってですね・・例えば今は誰でも知ってる有名店ですけど、カドヤ食堂のラーメンは有名ラーメン店になる前から頻繁に食べに行ってました。
僕、飲食の前は建築の仕事をしてうたんですよ。アルバイト時代含めると建築業界は7年ぐらい居ました。建築業界って昼めしは大体ラーメンなんすよ。え、そんなことないすか?笑 ほか弁かラーメンみたいな。それで、建築の仕事は現場がいつも違うので、出張が多くて全国回っていたんです。それで、全国各地の美味いラーメン屋探して食べていました。その後、建築で独立したんですよ。
それで引き続きラーメンを全国で食べ続けているうちに
「俺ら美味い!美味くない!言うてるけど、俺ら美味いラーメン作れる?」
って話になりました。確かに、作れるかな?って気になったんですよね。ある意味偉そうな話じゃないですか。自分は高みで美味い、美味くないって偉そうにね?それで僕、長浜系のとんこつラーメン好きやから、作ってみよう、って思って。
24歳の時1人暮らししてた部屋でとんこつラーメン作って部屋 くっさくさ なったりしながらね。笑
そうやって作ってみたり、やっぱり美味いまずい、言ったりしながら生きてて。簡単に言うと僕にとってラーメンは日常そのものなんですよ。
建築業界で働いてた時は、一生懸命仕事しても未払いが多かったり「今は、お金を払えない」って言われちゃったりとか・・・色々ありまして。もうほんま大変やなぁ・・って思い出しました。
それでたまたまうちの今の社長の系列店舗の工事の依頼が入りました。それで、今の社長と知り合って色々話をしているうちに意気投合して、僕が脱自営業して、会社に入らせてもらいました。そういう経緯ですね。
僕が30歳の時、2011年ですね。まずは、系列の居酒屋から働き始めました。料理に関しては、全くの無知だったので、社長が知識やテクニックをしっかり教えてくれました。
でも、次第に”飲食をどうせやるならラーメンやりたい”って思っていて、社長にお願いしてラーメン店を開業することになって、ここのお店がOPENしました。社長は、一緒に考えながら本当によく手伝ってくれましたよ。
自分の家でやってたときは、全くの素人の知識なんで
げんこつを電ノコでギュイーン
ってやってましたから。笑
したら肉片がぶわーなって。笑
解体用のハンマーでげんこつ割ろうとして床割ってもうた、とか。笑
社長に料理教えてもらって本当によかったっす。はい、以前の経験を活かしてこの内装は僕が全部やりました。水道工事は外注しましたけど!
ここの店舗にした経緯ですが、やっぱり立地大丈夫?って思われますよね。けど、最初から立地って考えてなかったんですよ。決していい立地とは言えないですけど、僕の考えでは美味しいラーメンって立地じゃないじゃないですか。立地より重要なことがあるよな、と思って。
建物自体も長屋的な趣のあるお店でしょ。それで、直感的にここがいいなぁって思ってここに決めました。
この店の雰囲気も自分で解体しながら、こっちの方がええな~って感じで工夫しました。改装費は設備ぐらいで、ひっそりOPEN。階段を棚に使ったり、素敵でしょ?
天六で最もひっそりしてるラーメン屋さんです。
店作りもそうですけど、店内にいろいろ飾られてるオブジェとかイスとか棚とかも全部手作りなんですよ。めちゃめちゃレトロな昭和を思い出す店内にしたくて、こういう風にしました。
ごっつ落ち着きますよ。
ファミコンとかも置いてあるんですけど、年代がどんぴしゃの人は”ふぅわ~!!”なりますよ。笑
是非一回来てみてくださいよ!
ちなみに、ここが味噌ラーメンでやっている事の経緯なんですが・・・実は僕とんこつ好きなんですよ。僕が一番好きなのは大阪の上新庄にある「博多とんこつ 天神旗」さんのラーメンです。
なので、とんこつ好きの僕は、正直あんまり味噌ラーメン食べたことなかったんです。好きじゃないラーメンをやるって大変だと思いません?けど、それを敢えて克服していくのが、意味があるかなって思ったんです。ゴールは”世の中に無いラーメン”を作りたいというのがあったので、とんこつ好き
そういう経緯でうちは味噌ラーメン専門店です。スープと味噌の香りがバランスよく良い感じになるようにこだわっています。大豆の香りが引き立つ京都の味噌と深みのある信州の味噌を合わせて、関西人に合う味になるように調合しています。その味噌に魚介のだしを入れて、やらせてもらっています。関西人の味、っていうのをしっかり考えています。
でも、味噌って種類がかなりあるんですよ。結果、味噌は40~50種類くらいは味見させてもらって、そこからピックアップする事になりました。高い味噌はめちゃくちゃ高いのがあるし、けどコストも考えなきゃいけないので、自分の納得いく価格と味のバランスでバチーっと決めるのは大変でしたね。
大豆の香りをやや強めにして、味噌の香りを豊かにしつつ塩分は控えめでね。味噌の味というよりは、じわっと感じられるような風味で引き立てるようにしていますね。それと・・・
いやぁ~もう、これ以上は
勘弁してくださいぃぃ~笑
味噌ラーメンって”味噌汁っぽさ”から、どうやって離脱するかがとても難しい。もっとスッと味噌ラーメンとして人々の舌に入っていくようにしたかったんですね。
そういう思いを込めて追い鰹の風味がふぁっと利くように仕上げていますね。
もっと、味噌に関してはレベルアップし続けたいと思っています。例えば業者さんに”醤油を探して!”って言ったら結構いいのがぽんぽん見つかるんですけど、味噌は難しいんです。やっぱり数に限りがあって売ってくれないとか、地域密着でやってるので・・・とか売り手側の事情もたくさんあるし、日々アンテナを立てておくしかないですよね。
味噌との出会いは日々求めてやっています。
スープへのこだわりとしては、僕がとんこつが好きというのが基本にあるので、とんこつは使わせてもらっています。そこに鶏を入れてるんですけど、その理由としては”関西人はやっぱり鶏が好き”という事で、7:3くらいで入れさせてもらっています。そこに香味野菜を入れています。
素材は、国産にこだわって良いものを使っています。それでも時々ムラが出るので、毎回しっかりとスープをしっかり見て調整しています。とんこつも、鶏がらも、それぞれ別の寸胴で炊き込んで最後に合わせています。そうすることで、味がマイルドでクリーミーになるんです。
とんこつスープは圧力寸胴で炊き込んでいるんですけど、もう味の出方が全く違うんです。芯から味がジワァ~っていう感じで出てくる。
うちはストレート麺でやらせてもらっています。もうラーメンは麺自体がちゃんと美味しくないとダメだな、って思っています。天真爛漫っていう粉を使っていますけれども、香りが本当に良いですよ。初めて嗅いだ時僕は・・・
・・・濡れました。照
こういう麺は初めてだな、って思ってこれを使いたかったんですよ。商品の選定に関して、小麦粉は早めに決まったんです。その天真爛漫に他の小麦粉をブレンドして・・・
って!これ以上は勘弁してください!
トッピングは白ねぎを使っていますが、笹切りにして繊維を残して切るようにしていますね。香りが全然変わります。
細かなテクニックはいろいろあります。例えば、もやしも軽くボイルするようにしていますね。食感をへたらせないように、うちはあまり炒めないようにしています。
場所的にも地元密着型で近隣の方が多いですよ。サラリーマンの人も来ますし、女性の方も1人で来られますよ。老若男女来ていますね。男女比率でいうと、お昼はやっぱり男性のお客さんが多くてトータルでいうと8:2ぐらいですかね。
夜は男女半分半分ぐらいです。ちょっと飲めるし、飲んだ後にラーメン食えるし、という事で気軽に来てくれますよ。1日の来客数は多いときに100人ぐらい来ます。少なくとも60人以上は必ず来ますね。キャパシティもあまり大きくない上に、場所もあるので、並んでもらうのはご遠慮頂いてるんです。小さいラーメン店なので、お客さんがすぐ一杯になってしまうんですよね。昼はリピーターさんがほとんどで、夜は新規のお客さんも混ざってきますね。販促はほとんどしていません。
この店は2012年5月31日にプレオープンしました。最初は集客もボチボチで。しんどくはなかったですけど、頑張らなきゃな、って時期はありましたよね。
でも、3ヶ月ぐらいで安定し始めましたよね。8月ぐらいからメディアも来るようになって今は、いい感じになってきています。やっぱり味噌ラーメンってあんまり関西にないし、うちの味噌ラーメンは美味いっすからね!*^^*
今後の目標は、もちろん新規出店もしていきたい気持ちもありますが、まずは味噌ラーメンで天下一を取りたい!と思っています。日本一になれれば、それは絶対世界でも通用しますからね!頑張ります!
合言葉は友だち○こ~!
【中田店長 談】
取材スタッフより
「ユーモアたっぷりの中田店長ですが、ラーメンに寄せる想いは超一流でした!美味しい味噌ラーメンを作る為に、日々試行錯誤しながら、本当に頑張っていらっしゃるんだなと、聞きながら惚れ惚れしちゃいましたよぉ!そして、実際のラーメンもとっても味噌っぽ過ぎず、ちょうどいいマイルドな仕上がりで、きっと女性にも人気なのではないでしょうか。電気のこぎりでげんこつカチ割るシーンはいつか動画に仕上げたく思います^^笑」