麺家 近
大阪のお客さんや業者さんが支えてくれた!いつまでも
お客さんと気軽に会話ができるラーメン屋であり続けたい!
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こんにちは、私が店主の近田です。
僕がラーメン業界に入ったのは飲食のアルバイトがきっかけなんです。
初めはしたいことが見つからなくて、国内を旅していました。僕は奈良出身なので、奈良から京都、新潟と北上して、スキー場などでリゾートバイトを転々としていました。そして、北海道に行ったときにスキー場のラーメンコーナーの配属になりました。
それまでは飲食にほとんど携わったことがなかったんですが、そこでほんもののコックさんと出会ったんです。その方は横浜出身で、ラーメンの作り方を色々教えてくれたんです。その教えてもらったレシピで友達にラーメンを出したときに喜んでもらえてね。これが仕事になったら素敵だなと思ったのがほんとに最初のきっかけですね。
それで、スキーのシーズンが終わった時にその方から「料理に興味があるなら横浜に来るか?」と誘われて、行ってみるとそこは横浜のホテルの高級中華料理屋さんだったんです。ビックリしましたよ。マジでプロやんか~!ってね。
その頃僕は24歳だったんで、年下の子に怒られたりしてたんですけど、地元にも帰られないし、必死の日々でした。ただ、がむしゃらでしたよ。
そこのコックは天才ばっかりで、「塩が5粒足らない」とか言うんですよ。ほんまそんなレベルで、すごすぎると思っていました。さらに中華料理はやることがたくさんあって。でも、ラーメンもたくさんやることはあるんですけど、やることはある程度絞り込める点もラーメンの良さかと思ったんです。
また、ラーメン屋の方に聞いたら、「ラーメンはスープを12時間炊いたら美味くなる」って言われて、これなら自分でも手間暇かけて頑張ったら、美味しいものが作れるじゃないかな。ラーメンしかないと思ったんです。けど、現実はそれほど甘くなかったんですがね。笑
ホテルでの仕事は厨房の中だけだったので、お客さんの顔が見られないし、何をしたいのかが分からなくなっている時期がありました。
その時にホテルを辞めて、東京でラーメン屋をやっている方に「うちに来ないか」と誘われて、そこで30歳の時に働き始めました。
当時はつけ麺とか今ほど主流ではなかったんですけど、自家製麺の作り方などを教えてもらいました。小さい店でお客さんの顔も見れたので、楽しくなってきたんです。
そして、2011年の時に震災が起きて、家族の大事さを感じて、出身地の関西に帰ろうと決意しました。そして、帰ってきて、九州を1周してラーメンを食べ歩いてから、本格的に開業するための準備を始めました。
ただ、土地勘がなかったので、奈良に近い所から順番に探しました。今の場所に決めたのはスケルトンだったんですが、人もたくさん歩いていて、家賃も範囲内で、一人でできる店の規模だったので、ここに決めました。
そして、2012年7月に母と二人でオープンしました。開業資金は東京で働いている時から貯め始めたんですが、他にも借りて、どうにかまかないました。勢いでしたね。
開業する前は仕入先も分からないので、困りました。ただ、近くに天満市場があったのは大きかったんですが、肉は困りました。
そこで、後輩から近所の鶏肉屋さんを聞いて、新潟の先輩から「福島鰹」さんを教えてもらって、「福島鰹」さんからも色々教えてもらいました。「福島鰹」さんには本当に助けてもらってますよ。
自分で「これや!」っていう味を決めてオープンしたんですが、最初の頃はかなり濃かったのか不評で、お客さんに「担々麺はいいけど、醤油ラーメンは塩辛い」と言われたりね。それに毎回来る度に、いろんな感想を言ってくれるお客さんもいました。東京ではそんなんありえなかったですからね。
ただ、何回も来てくれるので、僕自身が東京の舌になっていたのかと思って、オープンして少ししてから味を変えました。
最初は味を変えていいのか迷いましたが、一人でやっていたら思い込みもあったので、いろい
そこからお客さんとのコミュニケーションの大事さを知って、工夫しました。うちは券売機なんですが、大盛中盛は無料にしています。ただ、それを全て券売機に掲載するとコミュニケーションがとれないので、こちらから聞くようにしました。
そうすると、「大盛と中盛の中間でもいい?」とかお客さんから話してもらうことも増えましたよ。カウンターにしたのも、お客さんとしゃべりやすいと思ったからです。お客さんは常連さんばっかりなので、鉢を上げてくれる方も多くて、ありがたいです。
スープはバランスを重視して、2種類作っています。1つは動物系のスープで、豚の胴ガラ、鶏のもみじ、鶏の胴ガラ、たまねぎ、にんじん、じゃがいもを入れて、2日に分けて12時間くらい炊いています。もう1つは魚介系で、さばと煮干で作って、2つを合わせたダブルスープです。
たれの醤油は先輩から教えてもらった新潟の醤油を使っています。
うちは週に3~4回来てくれる人もいるので、メニューの種類を多くして、メンマだけでなく、春キャベツや菜の花など季節の野菜を入れて、体に優しいラーメンを作るように意識していますね。
麺はラーメンとつけ麺の2種類の麺を作っていて、ねかせる時間を変えています。麺は長野県の小麦粉と外国の麦を使っています。
特に長野県の小麦粉はめっちゃ気に入っていて、その粉が手に入っていなかったら、店をやっていないと言っても過言ではないですね。ほんとこの小麦粉は風味がすごくいいんです。
つけ麺は千葉県の「大成機械工業」さんの製麺機を使っています。つけ麺は塩やごまはパンチを効かせたいので、にんにくやラー油を入れています。塩つけ麺は夏に塩分が欲しい時によく出ますね。
オープン当初は50~60人で、今は100人くらのお客さんに毎日来店していただいています。初めは母と二人で始めたんですが、1年後に母の替わりにアルバイトさんを入れて、2年経過した時に1日入ってくれるスタッフさんを採用してから、やっと落ち着いてきたって感じです。
男女比はその時によりますが、全て女性のお客さんの時もありますね。やっぱり、ヘルシーな野菜を使ったりホテルで修業したことが活かされているって感じです。それに、お客さんが入りやすいように外から中が見えるように工夫したり、ほんといろいろと考えてやってますよ。
リピーターの方は8割はいると思います。2ヶ月くらいほぼ毎日くらいの勢いで来店し続けてくれた方もいて、2日で4回食べる方もいました。ほんと嬉しい限りです。
メニュー開発はスタッフさんがやる気を持って、自分の店のように働いてくれればいいなと考えているので、スタッフさんに考えてもらっています。僕はそれを手伝うという感じです。だから、そのメニューも人気がでているし、スタッフさんがモチベーション高くて頑張ってくれるしよく研究もしています。
縁あって、うちの店に来てくれたスタッフさんなので、家族やと思って接しています。自分も先輩達に拾ってもらって、育ててもらったので、それを下の子達にも返さないといけないと思っています。
今後はこの店を長く続けたいです。近隣にも競合のお店が多いので、地域に愛される店にして、お客さんのお腹を満たして、食事を楽しんでもらいたいです。今後も気軽にお客さんと会話できるラーメン屋でありたいと思っています。
【近田店主 談】