麺屋翔
麺屋こうじグループの田代浩二さん達に出会えて変われた!
昔はどん底の状況だった。でも今では1日200人を超えるラーメン屋に!
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僕は北海道出身でかれこれ10年以上前に北海道から東京に着ました。姉がもともと共同経営という形でラーメン屋を経営していたんですが、人手が足りないということでそのラーメン屋を手伝い始めたんです。当時僕はサラリーマンをやっており、自分の明確な夢も特に持っていなかったんですけど、自分で商売をしたいという気持ちも強かったんで東京に来たんです。
それが僕がラーメン業界に携わるきっかけですね。4年ぐらい姉のラーメン屋で従業員として働いたり店長も経験させてもらってから、僕が29歳の時にここ新宿に「麺屋翔」を開業しました。やっぱり、30歳前で自分の人生を考え始めたというのもありますね。
もともとここの店をオープンする前に、姉のラーメン屋の絡みで池袋の「池袋ひかり町ラーメン名作座」という所で4ヶ月~5ヶ月くらい出店させてもらう機会があったので、ここは2回目の出店という形です。
当時はラーメン屋を開業するって言っても物件も間取りも何もわからない状況だったんですが、勢いで出しました。笑
この物件はもともと居抜物件で、最小限のモノを用意してオープンして最初は、姉のラーメン屋での経験を活かした味を軸にしてスタートしました。
でも、今は当時のラーメンの味とは全く違うものになっています。いろんなストーリーがあり、僕が2011年に「愛の貧乏脱出大作戦」という番組に出たんです。きっかけは、当時お付き合いをしていた製麺所さんから「こういうテレビ番組の企画があるんですけどどうですか?」という感じで言われて、既に結婚していたし子供もいたんですが、全然お客様も来ないラーメン屋でこのままじゃダメだと思っていたので、番組に出演させてもらうことに決めました。
それで、麺屋こうじグループの田代浩二さんと3週間ご一緒させて頂いてもらって、そこで、味作りから人間的なことを叩きこんでもらって根本的に人間が変わりましたね。当時の自分からすると言われること全てが目から鱗な話ばかりで、それを素直に受け入れて自分の殻を破ることができる勇気があれば人は変わることができるんだと思いました。
うちのラーメンのコンセプトは鶏を使ったラーメンということでやらさせてもらっています。鶏の中でもあっさりしたラーメンも食べたいお客様もいますし、こってりしたラーメンも食べたいお客様もおられますので、鶏の脂もその2つに分けて清湯と白湯の2つのラーメンを提供させて頂いています。
塩ラーメンと醤油ラーメンは清湯スープで、つけ麺と鶏白湯のラーメンは白湯スープでやらせてもらっています。
味を教わった方は、東十条の「麺処 ほん田」の本田さんで、今のうちのラーメンの味のベースになっています。
でも、スープの取り方にしろ、麺にしろどんどん変わってきています。今の現状で止まらずに永遠に進化していくということが重要だと思います。
例えば、麺でもタレでもトッピングにしてももっと良くなるようにまずは“何でもやってみる”というのが大事ですね。だから、食品メーカーさんから商品サンプルを頂いたら自分の舌で確かめてスタッフに試食してもらって、もっと良くならないかの繰り返しで舌の鍛錬が重要だと思います。
麺のウリは3種類あり、限定ラーメンだけを除けばつけ麺の麺、鶏白湯ラーメンの麺、塩ラーメンと醤油ラーメンの麺がそれぞれ違います。
つけ麺は中力粉ベースのツルっとした喉越しとモチっとした食感、鶏白湯の麺は国産小麦粉を使った平打ちの麺、塩ラーメンと醤油ラーメンは全粒粉を使った平打ちの麺です。
麺は「菅野製麺所」さんにお願いしているんですけど、「菅野製麺所」の担当の方がめちゃめちゃ良くしてくださって、「ここのラーメン屋さん食べに行ってみてください」って言うとすぐに食べに行ってくださって、僕が思っている麺のイメージの共有ができるですごくいいですね。やっぱり、負けてれないっていう気持ちがお互いにすごい強いので一緒になって麺作りができるんです。
いろんな要望にも応えてくださるし本当に助かっていますし、こういうパートナーがいるというのはとても心強いですね。
(写真は取材中に偶然一緒になった「菅野製麺所」の営業の方です。)
ラーメンのかえしダレなんですが、うちはスープは鶏オンリーのスープなんです。豚骨を入れて試作をしたりもしたりしたんですが、鶏だけの方がインパクトが強くなるんです。やっぱり今どこのラーメン屋さんも美味しいので、強烈なインパクトがないとお客様の印象に残らない!だから、うちのスープは鶏の大群が襲ってくるようなインパクトのあるスープにしているんです。
そのスープを活かすためのかえしなので、しっかり鶏に負けないキリッとしたスープが生きるかえしダレに仕上がっていると思います。
お客様には1日200人を超える方に来て頂けるようになって嬉しい限りですね。でも、当時のどん底だった状況を思うと恐くて恐くて毎日ビビッていますよ。
お客様の層としては場所柄、サラリーマンの方が多いですが、週末になればカップルの方や女性のお客様も多くて年齢層がガラッと変わりますね。だから幅広い年齢層の方に愛してもらえていると思います。
男性と女性比率で言うと、男性が8割くらいで女性が2割くらいだと思います。限定ラーメンもいろいろな層のお客様から好評を頂いてます。
でも、僕が今までやってこれたのは周りの方達の支えがあったからだと思いますし、やっぱり人との出会いが重要だと思いますね。やっぱり人との出会いに恵まれないとダメとは言わないですけど、自分を変えることはできないと思います。
僕は、麺屋こうじグループの田代浩二さん達に頑張り方をレクチャーしてもらったんですが、誰にでもできることを如何に自分が実践し続けられるかが重要なんだと思います。