けやき

　開業してからすすきの本店はカウンターのみ十席しかないラーメン店ですが、毎日行列を成してお客さまが並ぶ繁盛ラーメン店です。

　中華鍋で手間隙かけてラーメン一杯一杯を作っているので、お客さまを待たせてしまうという部分はありますが、そのデメリットを全くものともしない繁盛ラーメン店です。『けやき』のテーマは『五感に訴える一品料理としてのラーメン』です。素材からこだわる味噌ラーメンの味は、そのテーマの通りとてもおいしいです。

　スープは、大きなずんどう鍋で取っており豚のゲンコツや背脂、そして放し飼いで育てた新潟産の鶏、数種類の野菜やシイタケなどがスープの上手さを引き出しています。約十時間をかけてじっくりと煮込むので、濁りのないスープになり旨みが出ます。

　しかも、驚くことにラーメンの味のバラつきを出さないように徹底しており、その日によってはスープで使う骨の状態が違うため仕上げに再度、必要な部位の骨を足して、一定の味を保っているのです。

　ラーメンの麺は、一週間寝かせて成熟させた、中太の縮れ麺であるのでこだわりスープと程よく絡まるだけでなく、プリプリとした食感がやみつきになります。そして、真ん中に盛られた具は白髪ネギやキャベツの青み、ニンジンの赤、キクラゲの黒など、彩りも鮮やかで食欲をそそるラーメンです。

　大豆みそや麦みそなど三種類のみそに野菜の甘みをプラスして、まろやかさ、ツヤの良さ、深いコク、キレの良さがある味噌だれが王道の北海道味噌ラーメンの味を出しています。チャーシューは厳選豚肩ロース肉を自家製スープでじっくり煮込み、さらに秘伝自家製醤油だれで煮込むことで柔らかなジューシーなチャーシューとなっています。しかも、それを厚切りでいただけます。

　ラーメン店の激戦区であるススキノですが、「にとりのけやき」の名はすでに全国で知られています。しかし、「札幌でおいしいラーメンはどこですか？」と聞くと多くの人が「けやき」と答えるため、偽物のけやきも存在するため注意する必要があります。