らー麺達
繁盛店から学んだ味を融合し、自らの味を追求!  繁盛店の修行経験から学んだ良さと難しさとは?
店名
らー麺達
住所
大阪市天王寺区小橋町13ー4
席数
カウンター7席

らー麺達
繁盛店から学んだ味を融合し、自らの味を追求!  繁盛店の修行経験から学んだ良さと難しさとは?
店名
らー麺達
住所
大阪市天王寺区小橋町13ー4
席数
カウンター7席

 ラーメン業界に入ったのはラーメン店でのアルバイトがきっかけです。

 34歳までは13年間塗装屋で、現場系の仕事をしてました。もともと昔から料理は好きでしたが、畑違いのところからきてます。ただ、常に独立したいという願望はありました。

 その近道を考えたら飲食業、それも大阪でいろんな人に好かれやすく、価格変動や価格競争がなく、味一本で食べていけると考えると、ラーメン屋かお好み焼きで、自分はラーメン屋をやりたいって思いました。

 その時にラーメンの求人誌を全部見たら、「玉五郎」か「麺や輝」が掲載されていて、口コミサイトを見て、「麺や輝」に応募しました。

 働くまで「麺や輝」の味を知らなかったのですが、初めて食べておいしかったことを覚えています。だから、本当にタイミングでした。

  35歳から最初の半年間は夜だけ「麺や輝」でアルバイトして、昼は友達の誘いもあって、出身校の食堂で責任者として働いてました。

 初めての業界での仕事やったし、結局向かなかったでは周りにも迷惑をかけるし、結婚も考えていたので、そのような形態で働きました。その時から食べ歩きもしてました。

 「麺や輝」で働いて1年半が過ぎた時に上の方が独立するので、店長を少しだけ経験しました。ただ、その頃はラーメンに100%向き合っているわけではなかったという甘えがあったため、辞めることになりました。

 

 そんな自分にラーメンを教えてくれた「麺や輝」にはとても感謝しています。

 

 その後再び求人誌を見ると、また「玉五郎」が掲載されていたので、応募し、約2年半玉五郎で働きました。

 

 そのまま独立できたらいいなと思っていたんですが、そういうシステムがなく、自分の味を追求してみたかったので、嫁に内緒で辞めました。でも、すぐにばれました(笑)

 独立を決めても、結婚していてお金も必要だったため、また食堂で働いて、その間で物件を探し、家で家庭用コンロで試作を繰り返しました。

 

 物件探しはとりあえず1人でなるべくやろうと決めて探していました。さらに厨房が広く、お金もかけないでおこうと思っていたので、ラーメン屋の居抜きしかないと思っていました。

 

 色々チャリンコで見にいって、ネットでも探しました。気になる所は不動産屋に電話しました。やりたい地域もあったので、あんまりなかったんですが、半年前にちゃんぽん屋をやってた場所が見つかりました。 

 すると、たまたま僕が知っていた「河童ラーメン本舗」の浅井社長の下で働いてた人だったので、とんとん拍子で話は進みました。人間関係の出会いがベストだったと思います。

 

 オープンするにあたって、店のオープンニングに立ち会ったことはなく、働いてたのが既に繁盛店のために、具体的に何をすればいいのか分からなかったんです

 

 だから、義理の妹の親友の旦那さんが「必死のパッチ製麺所」の島田君だったので、業者を教えてもらって、「スープがぬるいので、どうしたらいい」などと電話して、進めました。

 内装も自分で磨いて、掃除した程度で、自分で動きやすい設備をつけました。結局、借入せず、数十万で終わりました。

 

 前の店を辞めてから半年後の2012年12月、39歳の時に上本町にオープンしました。人の縁があって独立できました。

 

 ラーメンは濃厚なラ

 うちの一番のこだわりは油っこくないけど、濃いスープです。スープは豚骨と鶏がらを半々入れ、野菜はたまねぎ、しょうが、にんにくを入れて、焦げないようにしてます。もう一つは貝柱を効かせた和風だしです。

 

 かえしは醤油ベースで、チャーシューの漬け込んだものと貝柱を使った魚介のものを最初に合わせて作っています。チャーシューの漬け込んだものだけだと、塩分濃度や油のぶれがでるため、2つを組み合わせています。

 

 つまり、かえしもスープも2つを組み合わせてます

 麺は自家製でやりたかったんですが、自分のキャパを考えると、厳しかったので、以前の店でも使っていた「福島鰹」さんにいい麺屋を尋ねたら、「梅ヶ枝製麺所」さんを紹介してもらいました。

 

 オープンしてから、業者の方にいろんな麺を食べてもらっても、今の麺がいいと言われました。ただ、太麺もやりたかったので、太麺だけ違う業者さんを利用してますが、梅ヶ枝さんの細麺の方が人気があって、特につけ麺は抜群です。

 

 いろんなつけ麺を食べたんですが、梅ヶ枝さんの麺は美味しいです。さらに梅ヶ枝さんはキャンペーンの相談事などにも対応してくれます。

 ただ、オープンして、ラーメンの試作を業者の方に食べてもらうと、この狭さでこの濃度で、杯数がとれないので、やっていけるのかと心配されました。

 

 確かに普通の店が100杯作れるところをうちの場合は70∼80杯しかとれません。しかし、自分の作りたいものを作りたかったので、貫こうと決めました

 お客さんは平日のお昼はサラリーマンが来てくれて、夕方は学生が多いです。土曜日は学生が6∼8名で来店し、団体になることもあります。学生は食べ盛りで、お小遣いも少ないから、学割も始めました。

 

 また、女性の方も多く、1人でも来てくれます。女性だけでカウンターが埋まることもあります。男女比率でいうと8対2くらいです。

 

 8~9割以上がリピーターなので、お客さんが友達を連れてきてくれるのが嬉しいです。ただ、場所的に夜は人通りが少なくなるため、大きな看板に変えるなど新規の方にも来店しやすい工夫をするつもりです。

 うちは誰にでも食べやすいんだけど、記憶に残るインパクトがあるのがラーメンを目指しています。

 

 ネギ大盛りも無料ですが、トッピングで儲けようとは思っていません。ラーメンを売ってこそ、ラーメン屋だと思ってます。

 今後はこの地域のラーメン屋といえば、「らー麺達」と言われるように今の店を地元にずっと愛される店にしたいです

 

 そして、ちょっとずつ根が伸びて安定して、いずれキャパが狭くなった時に2店舗目を考えると思います。

 

 オープンする時に家で掃除をしていたら、小学校の卒業文集が出てきて、自分は何を書いたのかと読んでみると、「料理人になる」と書いていたので「叶ってたんや」と思ったので、これからも料理人として少しずつでも成長したいです。

 

【佐藤店主 談】