ボリュームのあるラーメン店を演出するポイント

 日本人は麺類が大好きです。うどん、そば、パスタなどなどたくさんの飲食店が麺類を提供しています。しかしその中でも、ラーメンというジャンルはちょっと他とは違うと感じます。なぜならそこには、特別なこだわりがあるからです。確かにうどんにもそばにも、こだわりがある人は多くいるでしょう。それでも、ラーメンに対する日本人の情熱は、他とは一線を画しているのです。それは食べる方も作る方にも共通の、ある熱い熱い思いがあるからです。そんな強いこだわりを双方が持ち続けているメニューは、そうそうないのではないでしょうか。

 

 しかし一方で、そんな熱い思いがあるだけにラーメン店は新規開店、閉店のサイクルが非常に早いです。どの店も生き残りをかけて日々試行錯誤を重ねているだけに、レベルが高いのです。ですから、ちょっとした油断が店をダメにします。お客さんの離れる速度も、また異常に早いというのがラーメン店の特色なのです。

 

 そんなラーメン店を繁盛させるにはどうしたらいいのか。もちろんいくつかのチェック項目がありますが、今回はポイントを「量・ボリューム」に絞ってあげてみたいと思います。

 ラーメン店にとって商品の量は非常に重要な問題です。ラーメン店の主な客層である男性から見たら、ボリュームというのは店選びで大きなウェイトを占めるチェック項目です。そこでお客様を満足させつつ、店側の利益も十分確保できる量を見極めるのが大事なことになります。もちろん、ある程度の原価計算はしなくてはなりません。

 

 その場合、たとえばお客様はどの程度の量なら満足していただけるのか。これは最大公約数的に考える必要があります。店におけるメインの客層が満足する量を提供しなければお客様は離れていきます。ではそのためには、ひたすら量を増やしていけばいいのか。

 

 違います。この場合、大切なのは単純に量を増やすのではなく、「ボリューム感を演出すること」なのです。ここで考えていただきたいのは、ボリューム感というのは割安感でもあるということです。この量の割には安いな。お客様にそう感じていただければしめたものです。味に満足し、量に対して割安に感じたお客様は、リピーターになります。さらにはクチコミ効果も大きなものです。このように、お客様に分かりやすいボリューム感を演出することが繁盛店への一歩なのです。

 

 では、具体的にどうしたらいいのか。ポイントは三つです。まず、商品の量と比べて割安感のある料金設定をすること。次に、周辺のラーメン店より量が多いこと。最後に周辺ラーメン店より値段が安いことです。お客様はラーメン店を比較するとき、あまりにも遠方の店とはあまり比べないものです。地域によって基本的な料金に差があることを、十分に理解しているからです。ただし、近くにある店とは必ず比べます。ですからこの3点を押さえておけば、お客様の量に対する満足度はわりあい高くなるといえます。

 

 原価ぎりぎりに量をアップさせていくのもひとつの手ではあります。が、それ以上にお客様の感覚に対して上手に訴えかけることも、大切なラーメン店の演出なのです。