麺家 じゃんぷ亭
北海道の“とある麺”に魅了された店長の大阪味噌ラーメン奮闘記
|
昔からラーメンが好きで、食べ歩きはしていたんです。15年ぐらい前かなぁ、大阪に美味しいラーメン屋さんって無いなぁ、って思っていたんです。
当時スキーが好きでその当時北海道によく行っていて、その時に今使っているこの麺に出会ったんです。そして紹介してもらって東京でこの麺を使っているラーメン屋さんで修行し始めたんです。
当時はフリーでインストラクターをやっていたのですが、傍ら調理師免許を取っていたので、これを活用しない手は無いとラーメンに携わり始めました。ここはもう10年になります。
11月で10周年になりますよ!^^
その東京のラーメン屋さんでは1年半ぐらい修行しましたね。それから帰ってきてここではじめたという経緯です。
この場所ではじめた理由は、郵便局員を昔やっていて、このあたりを配達していたんです。それでたまたまこの近くで自分の両親が“じゃんぷ”って雀荘をやっていたので、そのまま店名を頂いています。^^
それで占いで色々調べて、じゃんぷっていうのは若者に人気が出るという意味があるらしくて、それに加えて“めんやのや”は家がいいという事で、今の店名になりました。
当時はあまりラーメン屋さんも多くなかったので、ここで良いんじゃないかな~って感じでここにしました。2階も使えるというのも大きな理由の1つです。お昼はアルバイトが1人来ていますが、基本的には僕1人でまわしています。
家賃はこの辺の割にはお安くすみました。隣が大家さんで商店街の半分ぐらいの家賃ですね。2階も使えば17席ぐらい使えるので結構お得なんですよ。前はここはお花屋さんで、その前は古本屋さん、その前は食堂だったそうです。
で、おかげさまでうちが10年ですね。郵便局で10年ぐらい働いて貯めたお金全部使って、やりました。実は僕もう50歳になります。ここはじめたときが40歳でした。
味噌ラーメンのお店が少なかったので、深みのある味噌ラーメンが食べたいな、という理由で味噌に特化しました。北海道の味噌で色々美味しいのがあるので、味噌メーカーさんにブレンドしてもらっています。
それは麺屋さんに紹介してもらって、やってもらっているので、見つけるのが難しかったですね。自分は北海道の麺を使っていたので、その製麺屋さんの紹介のおかげですね。味噌をブレンドして送ってもらっているのですが、納得する味になるまで試作のやり取りのラリーは結構何往復もしましたよ。
またそれからも、やりながら配合の微調整をしていましたが、今はやっと落ち着いた感じですね。
製麺を作ってくれている製麺所さんは加藤製麺所さんというところです。いつもこちらの要望にも親身に対応してくれる老舗の良い製麺メーカーさんですよ。麺も細かい要望は出しましたが、ベースはずっと一緒の大好きな麺です。
以前“どっちの料理SHOW”で麺代表として出演したりしていましたよ。特徴が少し強い麺ですから、好き嫌いはあるかもしれません。「ちゃんと湯でてる?」とか言われる方もたまにおられます。でも、うちの麺は水分のとても少ない低加水麺なので、スープを入れると時間が経てば経つにつれて、麺がスープを吸うので、それによって麺とスープが合わさってめちゃめちゃ美味しくなるんです。
だから、病み付きになってくれる方も多くいます。
ずっとこの麺を中心にスープを作ってきたという歴史がありますので、是非一度食べてみてほしいですね。
スープの中身は豚のげんこつとアジ節と鶏がらと昆布と野菜を炊き込んでいます。アジはちょっとしたクセを出すために、活用しています。
北海道の旭川の醤油ってすごくアジの味がついているんですけど、あまり一般ウケはしないんですよね。僕は好きなんですけど。だから隠し味として活用しています。
時間差で上手に具材を入れていって、スープの調整をしています。そして
味噌ラーメン独特の炒める工程はやはり香ばしさも出てとっても美味しいですよね。ラードの焦げた香ばしさとか・・・良いですよね。まぁ正直手間がかかりますけどね(笑)。注文の度にしっかり炒めています。
この火の感じとかが結構ラーメン屋さんにしては珍しい感じ出てません?しかもラードも自家製です。味噌ラーメンに入れるチャーシューを煮込むと上に油が浮くので、それをすくってラードにして使っています。
だから、正直めちゃめちゃラーメンにもマッチするラードに仕上がっています。無駄をださないおばあちゃんの知恵袋って感じですね(笑)
このチャーシューも結構こだわっていて、お客さんにラーメンを出す直前に切るようにしています。切り置きするとやっぱ酸化しちゃいますので、切ったばかりのピンク色のチャーシューを出すように心がけています。
チャーシューはお肉屋さんにお願いして、出してもらっています。こだわっているのは、切るタイミング、出すタイミングですね。一番美味い状態を追求しています。
お客さんの口コミばっかりで、ほとんど販促していないんですけど、今は1日100人以上は安定して来てもらえていますよ。お客さんの層は、ほとんどサラリーマンの方ですね。土日は家族やカップルも結構来られますよ。
女性の方もちらほら来ますよ。6:4くらいで女性のお客さんも来ます。時々日曜日でゲリラ営業してみたりしますよ。常連さんは日曜日閉まってると思っているので、日曜日は新規のお客さんを呼ぶのにやってみたりしています。
この店内の張り紙ですが、知り合いの美容師さんとかが趣味でこういうのやってはって、書いてくれました。こういう縁もそうですけど、これからの僕の夢としてはもっとたくさん素敵なお客さんにいっぱい出会えればそれでいいです。
【渡邊店長 談】
「最初はあまり印象無かったんですけど気が付いたら病み付きになり毎月やっぱりどうしても来ちゃいます」と、照れくさそうな店長の横でお店の魅力を語ってくれた常連さん。
取材スタッフより
「中華なべをブンブンしながらラーメンを作ってくれるので、美味しそう~という感覚が1つのウリだなぁ、と思いながら出てきた味噌ラーメン。美味しい!病み付きになる”身近”な感じを受けました。また、記事の中で何度も語ってくるこの麺!好きな人は絶対はまると思います。笑 あと、スープすくうのもとまらないです。
この麺と店主のドラマチックな出会い。店主の真面目さがコツコツと積み上げた味噌ラーメンの完成形は、とても身近な生活に溶け込むラーメンだな、と思いました。応援しています!」