ラーメン店の開業は前準備が重要

よくサラリーマンをやめてラーメン店を開業する人がいます。理由は他の店に比べてラーメン店は開業資金をあまり必要としないからです。またラーメンが嫌いな人はほとんどおらず、味の好みも10人いれば10通りあるくらい様々ですから、必ずファンはできます。

 

一般にラーメン店の開業に必要な資金は100万円程度と言われます。しかも、新たに全ての機材を揃えるのではなく、どこかのラーメン店が店をたたんだ後に入り、機材を再利用すればもっと安くて済みます。つまり「居抜き」という、そこで営業をしていた飲食店の内装などをそのまま引き取り、再利用して店を出すという方法です。

 

しかし開業がラクだからといって儲かるかと言えば必ずしもそうではありません。なぜなら、このラーメン業界は比較的成熟期に入っているからです。そして開業したはいいけれどもリピーターが増えなければ結局サラリーマンをやっていた方がよっぽど儲かるという状況になってしまいかねません。特にフランチャイズチェーンに入れば、本部にかなりの金額を支払わなければなりませんので、苦労した割には手元に残るお金はわずかしかないという状況に陥ってしまうこともあります。ですから、開業は比較的簡単なのですが、継続することが非常に難しいのがこのラーメン業界の特徴といえます。

 

開業すると決まったら、そのお店の方向性をどのようにしていくのかを定めなければなりません。スープの味は、豚骨系なのか鶏ガラ系なのか、醤油系なのか塩系なのか。そして麺の固さや太さ、ゆで方はどうするのか。麺は卵麺なのかそうでないのか。こうした方向性を十分検討していかなければなりません。

 

個人経営の場合は店主のこだわりでこうしたことに十分時間と情熱をかけることができます。しかしフランチャイズチェーンに入るとそうはいきません。

 

次に原材料の仕入れルートをどう確保するかが重要になります。これまでにラーメン店経営の経験があるもしくは他の飲食店経営の経験があるのであれば、こうしたルートを活用したり、知り合いに紹介してもらったりということが可能ですが、全く初めてという場合非常に苦労する点でもあります。しかしここで道を間違えるとせっかくの苦労が水の泡になってしまいます。

 

一番堅実なのは、自分で最初から開業することを考えるよりもどこかのラーメン店で働き、経営のノウハウを身につけ、味のポイントや仕入れルートなどを確保してから独立することが望ましいと思います。