-食べ歩きでたまたま見つけた「一風堂」で修業開始

 もともと札幌ラーメン的な味噌ラーメンを親父がやっていたので、それを受け継いで一時期、札幌に修行しに行こうと思って食べ歩きをしました。

 でも、ちょっと違和感を感じちゃったんです。味噌ラーメンへの想いはもちろんあったんですけど、心のどこかに“このラーメンは岐阜の人たちは食べないだろうなぁ”っていうのがありました。もちろん札幌ラーメンはとても美味しいんですけど、やっぱり地域性、相性ってどうしてもあるじゃないですか。

 それで方向転換して、東京の友人や取引先の方から“博多ラーメンが美味しい”という話を聞いて、また次は博多を食べ歩きました。笑 

 博多では大体27軒ぐらい食べ歩きましたよ。その時に色々歩いているうちに「博多一風堂」が一番美味しいと思ったんですよ。当時まだ「一風堂」が5店舗しかなかった時です。

 自分で軍資金500万円持って、5年間勉強するという計画を立てて、アルバイト代を毎月5万円もらえば生活が成り立つ!という計算で、すぐに電話して弟子入りしました。

 当時の僕の感覚は“仕事を辞めてお金は無くなるけど、俺の体には財産が残るんだ!”と思って向こう見ずに頑張ろうと決めていました。それから1996年1月15日に「一風堂」の河原社長に会って、2月に会社辞めました。その時、僕は26歳でした。