ラーメン店の開業はまずはターゲットを絞るところから始まる

ラーメン店を開業しようと思ったときに、まず一番大事なポイントはターゲットを絞ることから始まります。ターゲットを絞り込むというと多くの人が、「え!?お客さまを絞り込んでしまうと来店するお客さまの数が少なくなってしまうのではないのか・・・?」と言われます。

 

しかし、最近では、大手ラーメンチェーンも、ターゲットやコンセプトを明確にしています。とくに、都会のように競争が激しいエリアほど、その傾向が強いです。昔のように、幅広い客層の幅広いニーズを取り込んで商売をする戦略では、競争に負けてしまうからです。大手ラーメンチェーンですらそういう状況であるのに、小規模のラーメンチェーン店や個人のラーメン店が、幅広い客層と幅広いニーズを取り込む戦略で商売をすることは、絶対に不可能です。大手ラーメンチェーン店以上に、ターゲットを絞り込む必要があるのです。

 

私がこれまでラーメン店の経営をしてきた上でわかることは、ターゲットを絞れば絞るほどお客さまから支持されるということです。「なぜ、ターゲットを絞り込めばお客さまから支持されるようになるのか?」というと、一番大きなポイントはターゲットが決まると自店のコンセプトが決まるからです。今、流行っていない経営の厳しいラーメン店はどのようなお客さまをターゲットにしているかということが不明確なのです。だからコンセプトがブレてしまい、それによってラーメンの味や打ち出し方など全てがブレてしまい、お客さまにファンになってもらえないのです。

 

つまり、ターゲットを絞り込めば下記のメリットがあるのです。

 

1.ラーメンの味、サイドメニューなど品揃え、接客、店舗の内外装、販促などマーケティングの戦略が明確になる

2.自店の特徴が明確になり、何をアピールすべき魅力も高まる

3.ラーメン店を開業する際に、多くの資金がない中で、その限られた経営資源を集中させることができ、競争力が高まる

4.お客さまが見た瞬間、入った瞬間に分かりやすいラーメン店になる

 

などです。つまり、自店の収益向上のために、ターゲットを絞り込むことがとても重要です。

また、ターゲットを絞るというのは、どこまで自店のお客さまになると考えられる人物像をイメージできるかということと同じです。単に「サラリーマン」というより「30代の男性サラリーマン」というほうが明確です。さらに、「東京の世田谷に住む結婚している30代の男性サラリーマン」というように、どんどん掘り下げていくのです。

 

これ以上絞り込むとマーケットが小さくなりすぎてラーメン店の商売が成り立たないというところまで考えることが重要です。このようにターゲットを絞るときのポイントは、

1,お客さまとなる顧客の属性で分ける

例えば、年齢・性別・職業・家族構成・所得などが挙げられます。

2.顧客が存在するエリアで分ける

例えば、住所やそのエリアの人口密度やエリアの特性などの特徴です。

3.顧客が持つ心理的特徴や行動的特徴から分ける

お客さまがどのタイミングで商品を購入するのかの基準を考えます。例えば、高くても購入するか安くないと買わないかなどや、こってりラーメンがいいのかさっぱりラーメンがウケるかなどです。

つまり、自店に対するお客さまの来店してくれる動機を考えるのです。それが、自店のアピールすべきポイントとなり、注力するべき強みとなるからです。

 

つまり、どんな顧客を向いて商売をするかということではなく、自分のラーメン店をどのようなコンセプトで開業する際に、どんな顧客層と来店動機が必要になるのかを考え、品揃えから販促など、すべての戦略をそのターゲットを想定して考えることが重要なのです。