漫画を置いているラーメン店が成功しない理由

ラーメン店と漫画は非常に相性が良いように思われています。

街中のいたるところで、漫画をおいてあるラーメン店をみかけますが、そういった店の多くは回転率が悪く、あまり繁盛していません。

 

ラーメンは他の飲食店で扱われている商品と比較しても提供の時間が非常にかかる商品です。

そのため、店主は「暇な時間をつぶしてもらえるよう」漫画を置いているわけですが、それが結果的に回転率を落としてしまうのです。

 

漫画を手に取る人の多くが、ラーメンを待っている間に漫画を手に取り、きりのよいところまで読んでから席を立ちます。

確かに暇な時間帯であればそれも良いのですが、少し忙しくなってきて席を開けたいなと感じても、お客様は漫画を読むのに夢中で席をなかなか立たない方がいらっしゃるでしょう。

そうなれば当然、他のお客様を待たせることにつながり、ラッシュ時間の席の回転がうまくいかなくなり、「とても良く混む店」という印象を持たせることになるのです。

 

とても良く混む店と聞くと「それは繁盛している店の状態じゃないか」と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、それはよく席が回り、どんどんお客様が入れ替わる状態であればの話です。

漫画や提供時間でお待たせしているのとは全く異なる現象なので、そこは勘違いしてはいけません。

店に来るお客様の多くは、思ったよりもお店のことを良く見ているものです。

提供が遅く、漫画で時間を稼いでいる店を見抜いていることが多いのです。

 

普段からお客様に漫画を読ませるほど提供に時間がかかるのであれば、ラーメンを作る手順、そしてお客様にメニューを提供するスタッフの動き方、メニューや注文のとり方など、基本的に店を回すための能力がきちんと来客数に見合っているかどうかの見直しが必要です。

どこかで時間の無駄があったり、判断を鈍らせる原因というものが存在します。

それは人の処理能力だけが原因になっているわけではありません。

例えば、厨房のレイアウト、店内スタッフの導線など、そもそも店の中のレイアウトが適切でないため遅延が起きることも多々あります。

「やりにくいな」「確認しづらいな」と思ったことが重なって、最終的に提供時間が遅れている可能性が高いのです。

 

何人かで店を回す形態であれば、スタッフの「改善してほしい」と思う点を良く話しあい改善に努めましょう。

もし少人数で回す形態であれば、そもそも各個人の処理能力を超えているパターンが多いので、メニューを減らしたりスタッフを増やすなどして、より多くのお客様に対応できる形を作らないと、根本的な原因の解決にはなりません。

 

人件費などのコストが気になるかもしれませんが、お客さんがお店に対して感じる印象が悪ければ結果的に機会損失を招いて収益率に影響を及ぼします。

今時点で出来る最大限の努力を、スタッフも経営側も行うことで、より収益を期待できるラーメン店を作ることが出来るのです。