－たった一つの条件は最終決定権を持つこと！まさかの井上氏との軋轢！
ただ、「一つだけ条件がある」と・・・「俺が最終決定権者であること」を承諾してもらって３３歳ぐらいの時に会社を引き継ぐために戻ってきたんです。
戻ってきて最初に当時の統括の井上氏が、「え？」ってなったんですよね。「お前、もうラーメンはやらないって言ってたじゃん！結局、中村家の親子の出来レースかい！おいおい！」って感じで・・・井上氏からすると、息子がワァーって遊びに行って、調子良く都合のいい時に戻ってきたみたいな感じだったと思うんですけど、実際はそうじゃなくていろいろあったんですよ。
でも、オーナーである父を満足させれていれば、僕が戻る隙はなかったわけで、更に言えば、僕が戻らなければ店はなくなっちゃうわけですよね。もしみんながZUND-BARやAFURIでずっとやりたいとしたら、僕が戻る以外の選択肢はなかったんですよね。本当に潰しますからね。うちの父は。そういう人なんで。（苦笑）
とは言っても、そうなったきっかけや上手くいかなくなったのは、リーダーの責任なんで、それは父の責任だったと思うし、過去に僕が「こうするべきだ！あーするべきだ！」て言っても全部がダメとは言わないんですけど、すごく大切なところで色々ダメだって言われてきた経緯もたくさんあったんですよね。
大きな一つの例で言えば、商品の値付けですよね。価格設定。父は「ラーメン屋だからお客様には高い金額じゃなく安い金額で楽しんでもらいたい」って言ってたんです。だけど俺は「値段を上げないと給料払えないだろ！」って言って言い合いになって。でも上げさせないんです。「こんだけ従業員のみんなもやってるんだから、時給こんだけにして、給料こんだけにして、ボーナスこんだけにして」って言ったら、「いや、うちには金がないから・・・」って、「はあっ！？」て感じでしたね。そりぁあもちろん安い方がお客様は喜ぶでしょう。でも、それって長く続きます？
父は、もちろん凄く尊敬していますけど、そこの部分に関しては、最終決定権者であった彼のせいです。って、父のこと相当ディスっているように聞こえるでしょうけど、全部が全部悪かったわけでは無いですし、良い采配も沢山振るってきたと思うし、そもそも父がいなければ「ZUND-BAR」も「AFURI」も出来なかったですしね。←ここ最重要です。なんというか。役割分担というかバトンリレーなのかなって思うんですけど。バトンを引き継いで、しかもありがたいことに、自分の作ったままの形でブーメランみたいにそのまま戻ってきたんですね。ZUND-BARもAFURIもちろん評判が落ちてたり、上がってる部分もあったかもしれないけど、そのままの形で僕の所に戻ってきた。そうして引き継いだんです。
－井上氏のおかげで、どうにかこうにか引き継ぎ完了
でも、井上氏としては、ずっと自分がやっていくものだって思っていたはずなのに、俺が入ってきてそりゃあ嫌でしょ！？それで彼は辞めるってことになっていくんですけど・・・そこで色々ぶつかりながらも話し合いをして、説明して分かり合えたこともあるし、分かり合えなかったところもあると思うんですけど、すぐ辞めるのではなくて、きちんと引き継ぎができるように「人が育つまでの間はいます」って言ってくれて、最後まで協力してくれたんです。そして、辞めてから彼は渋谷で「九月堂」というラーメン屋をオープンするに至ったんです。この男も魂の男でしたね。アツい男です。すごく感謝しています。
－戻って来たけど・・・敵意で満ち溢れる「ZUND-BAR」
僕は戻ってからは、お互いに現状を知らなきゃいけないので、まずは 「ZUND-BAR」で、全員を集めて説明をしたんです、僕が戻ってきた時は、もちろん“Theチーム井上”だったんですよ。井上氏が憤慨するような巨大な敵が来たみたいな感じで、僕は四面楚歌みたいな状態だったんです。本当すごかったですよ・・・。（笑）
最初のミーティングで挨拶する時に、みんなの前でなぜか僕は謝るみたいな。（笑） 僕からすると「僕が戻んないと店もチームも無くなっちゃうだよな」って思ってたりしたんですけど、今それ言っても伝わらないだろうと・・・
でも、「これだけ強く僕を排除しようと思うのは、それだけお店を愛してくれていて、それだけ強いチームの結束力があるからなんだよな」って強く感じたから、現実をそのまま伝えるだけが必ずしも良い訳ではないと思って、謝る・・・。みたいな感じでしたね。
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